友人がネットワークビジネスにはまったから話を聞きに行って泣かせた話。
中学からの付き合いの友人がいた。
数少ない上京組みだったので関東に来たころはちょくちょく会っていたが、
お互い社会人になり、それぞれが忙しくなったので疎遠になっていた。
Twitterやインスタグラムはフォローしていたので、たまーにコメントし合う程度だった。
そんな友人が気付いたらズブズブにネットワークビジネスにはまっていた。
マニュアル通りの誘い方を受け流す
NHKで『LIFE!』という番組をご存じだろうか。
いろんな芸人がシュール系コントをやっている、結構面白い番組である。
TVだけじゃなく、YouTubeでもweb限定のコントを配信していたりする。
その中に、シソンヌが演じる
「一見悪徳そうに見えて、〇〇を勧めているだけの男」
というコントがある。
【WEB限定コント】 一見、悪徳に見えて、ただ貯金を勧めているだけの男 【LIFE!×NHK1.5ch】
友人が会う時に連れてきた人もだいたいこんな感じ。
シソンヌの演技力がすごいのか?
連れてきたおっさんがシソンヌに寄せているのか?
それくらい近い。
マニュアル通りの勧誘方法しかしない。
急によく分からんメモ書きを始めたり。
金持ち父さんと貧乏父さんの本の話を始めたり。
ネットワークビジネスをする人にとって経典なのだろうか?
絶対と言っていいほどこの本の話をする。
皮肉な言い方にはなってしまったけど、この本自体は私も良い本だとは思う。
ネットワークビジネスおじさんからの伝聞ではなく、是非ご自身で読んでみてほしい。
このマニュアル通りの初手勧誘の対応としてオススメなのは
失礼にならない程度の、極端に薄いリアクション
だと思う。
へー とか ほー とか言わない、ほぼ無言&無表情。
ものすごーくつまらなそうな表情。
せっかく久しぶりの友人と会って楽しく話が出来るとおもったのに、
なんだこのオッサン・・・という雰囲気の顔。
下手に愛想良く対応しても余計に面倒なので、ひたすら仏像フェイスで流す。
(※ネットワークビジネス勧誘マニュアルには色んな対応方法が記載されているので、これも難なく対応されるかもしれない。私が会ったおじさんはしんどそうにしてくれていた。ごめんねおじさん。)
具体的な金額を計算させる
無の境地にたどり着きそうな顔をずっとしていたら、一緒に来たおじさんは途中で用事があるからと言って帰った。
大抵ずっと最後までいるので、これは稀有な例だと思う。
おじさんが帰った後も、友人は一所懸命に勧誘してくれた。
・一緒に幸せになろうよ!
・同じ目標の仲間がいるって素晴らしいよ!
・サラリーマンでは手に入らない、自由な時間が手に入るよ!
どこで習ったかしらないが、昔一緒にスマブラやって遊んだ友人から壊れたMDカセットみたいな言葉を聞くのは辛かった。
彼が好きでやっているなら止める理由はないけど、せめて自分がやっている行為に果たしてどこまでの価値があるのか分かって欲しい。
のらりくらり話を聞きながら
・ネットワークビジネスを始めてからの日数
・会った人間の数
・1回あたりの打ち合わせ時間
・お土産に買ってきてくれた御社商品の今までの購入額
をリストアップしていき、単純に費やした時間と費用を出した。
さらに、今後この出費ペースでいったときに、何人の人間を勧誘すれば元が取れるのかも一緒に計算した。
彼の場合、遠方でも喜んで行き、沢山のお土産を買っていた。
ほんとに根は良いヤツのままだった。
結果、彼は30人を勧誘すれば2年後に元が取れておつりが発生する計算結果になった。
しかし、それまでにかかった費用総額は数百万円になり、彼の貯蓄では到底持ち堪えられない金額だった。
否定せず、思いを伝えて、泣かせる
利益が発生する前に貯金が底を尽きる。
彼もまた誰かにとってのカモの1匹だった。
もちろん、彼が勧誘方法を変えたり、工夫を凝らせば改善の余地はあるかもしれない。
しかしその方法は思いつかないだろう。
なぜなら彼はマニュアルに沿って完璧に進めており、それを周囲の人間から賞賛されている事に満足している。
・画期的なサイドビジネスをやっている気になれる
・同業の人間からは認めてもらえ、仲間が増えた感じがする
・周囲の批判や否定はネットワークビジネスのコミュニティーをより確固たるものにする。(否定する人は分かっていないだけ。だってこんなに素晴らしい仲間も一緒にやっているんだもの!)
自分の承認欲求を満たせる環境に身を置いて、そこから抜け出すのは非常に難しい。
だけど本当にやりたかった事なのか、
やっていて楽しい事なのか、
たまに1人で考えて欲しい。
どこかのタイミングでネットワークビジネスを辞めることがあれば、
同業の人間からはボロクソに言われるかもしれない。
でも、笑顔でおかえりと言ってくれる人の方が大勢いる。
それだけ分かって欲しい。
彼は泣いた。
ネットワークビジネス自体は否定しないけど
これだけネットワークビジネスを否定的に書いてきたが、
ネットワークビジネス自体を否定する気はない。
現に、成功している人達がいるのも知っている。
しかし、その成功者の影には大勢の不幸になった信者がいる。
成功者を信じてついていき、破滅の道へと落ちてしまった屍の上に成り立つ人を私は尊敬できない。
最期に
サラリーマンのお給料以外に稼ぐ手段を持つことは正しい。
世は大副業自体に突入しつつある。
このブログのように、細々とではあるが非対面でもお金は発生する。
宣伝かよ、って感じなるのは申し訳ない。
ただここに書いた友人の話は一部フィクションではあるが、
だいたい実体験です。
副業の種類はいっぱいあります。
副業に興味ある人は甘い言葉に惑わされず、自分にあった方法を模索しましょう。
最後までご覧頂きありがとうございました。